クールハーク(Kool Herc、本名:Clive Campbell)ジャマイカ出身のDJ
 
グランドマスター・フラッシュ、アフリカ・バンバータと並ぶ、
ヒップホップ黎明期の3大DJの一人に数えられ、
“ヒップホップ界のゴッド・ファーザー”と呼ばれている。
 
ジャマイカがヒップホップに与えた影響を数値化することは不可能です。
しかし、ヒップホップとジャマイカとは、広く知られている「サウンドシステムと、
それを取り巻く慣習」という形で、家族のように深く関わっていることに間違いはありません。
 
1955年、ジャマイカのキングストンに生まれ、様々な音楽に囲まれて育ちました。 
1967年、ジャマイカからニューヨークのブロンクス区に移り住む。 
1973年8月11日、ハークと家族が住むアパート、ブロンクス区にある1520セグウィック通りの
レクリエーションルームで妹のシンディが新学期(Back to School)を新しい服で迎えたいとの
理由から、BLOCK PARTY(ブロックパーティー)を開き、DJやサウンドシステムは
兄のハークに頼みました。ハークはダンサーが好むドラムビートを強調し、
このビート音を「ブレイク」と名付け、ターンテーブルを2つ同時に使って、2枚の同じレコードの特定部分を交互に何度も繰り返す「ブレイクビーツ」を発明しました。2つの短いブレイク部分を次から次へと流していくという過激なアイデアをハークは「メリーゴーランド」と呼び、
その大発明を、低音が重い母国ジャマイカのシステムを模倣し作製した、
自身が所有するサウンドシステムを使い、自身の「ブレイクビーツ思想」に基づき、ヒップホップ音楽の基盤を造り上げていった。 
ヒップホップのDJingというパートが生まれ、同時にヒップホップのもう二つの部分B-boyingと
Graffitiも発展し、MCing (Rapping)という部分はその後に発展し、 ヒップホップ4大要素 とされ
るパーツが揃っていった。 
後年、「ブレイクビーツループ」というコンセプトから、サンプリングなどのテクニックが生まれ、音楽制作方法として広まり、数々のヒップホップの名曲が誕生した。
ドラムンベースや様々なエレクトロミュージック等の世界中の音楽にも影響を与えた。 
 
1970年代にはまだヒップホップの名前すらなかったので、この流行にのっている人は皆Bボー
イと呼ばれたが、最初に「Bボーイ」と「Bガール」と呼ばれたのは、ハークのブレイクビーツに
乗って踊っていたダンサー達の呼び名であった。お客が全員で円を作って、Bボーイが真ん
中で踊る。始めは簡単なステップだったが、誰かが手足をすべて使って回りだした。こ
の流行が1980年代初期の「ブレイクダンス」の始まりとなる。 

ハークはブロンクス地区でのヒーローとなっていく。多忙なスケジュールにより、MC(ラップ)
はコーク・ラ・ロックが代行した。MCを導入したのもハークが一番初めだと言われている。そ
のMCスタイルは現代のラップというよりも、ジャマイカの
「トースティング」の様式を取り入れ、パーティーの雰囲気を盛り上げるスタイルだった。 
その後、ハークはサウンドシステムをブロンクス地区の路上や公園に持ち出すようになり、こ
れが路上ヒップホップの始まりとなる。 
その頃のブロンクスはギャングの脅威にあったが、1975年には何事もなかったかのように消
えて行った。これはギャングでいる事よりも、もっといい事が他にできたからである。それがヒ
ップホップだったのだ。 

1975年、グランドマスター・フラッシュはハークを救世主と呼び、彼のDJスタイルを取り入れ、
サウンドシステム「グラディエーター」を購入しました。 
アフリカ・バンバータは当時ギャングに所属していたが、1975年にサウンドシステム「アースク
エイク」を購入し、ハークのDJスタイルを学び、周りの仲間を非暴力団体ズール・ネイションに
改心させていくこととなる。 
 
ニューヨーク州・歴史保存局は2007年7月5日、ブロンクス区にある1520セグウィック通りの建
物を「ヒップホップ発祥の地」として認定し、セグウィック通りの一部は、ハークを称えるために
2017年にヒップホップブルバードに改名されました。 
 
DJ Kool Herc(クール・ハーク)は、米国で最初のヒップホップ博物館となるユニバーサルヒッ
プホップ博物館の名誉諮問委員会メンバーに指名され、ジャンル(ヒップホップ)の創設50周
年に合わせて2023年ブロンクスにオープンする予定です。

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DJ クールハーク  (1979)

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ブロンクスでサウンドシステムを用意するDJクールハーク(1975)

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First Party flyer (1973) 
その時の招待状に書かれたバブル・レタリング(書体)と、星やハートで飾られた子供っぽいデザインが、もともとヒップホップは、スクール・キッズたちによって始まったことが分かります。